すっごいTVer!

今年もあとわずか。もう少しで今年公開した記事が100に到達する。

100記事のために能動的になれた。予期せぬ出来事もあった。

 

aibouninngenn.hatenablog.com

映画『怪物の木こり』を観た。

なんでもかんでも『相棒』と結びつけるのはよくないかもしれないと思ったので書かなかったが、監督の三池崇史さんはシーズン10の「宣誓」(#16)にヤクザ役で出演している。

染谷将太さんをはじめ、渋川清彦さんや堀部圭亮さんなど『相棒』出演者が多数出演していた。染谷さんはこの手の役が似合いすぎている。ホントに怖かった。

 

tver.jp

TVerで『クロハ~機捜の女性捜査官~』(2015年)という二時間ドラマを観た。

原作は結城充考さんの『プラ・バロック』-第12回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。数年前、私は乃木坂文庫でこの作品を読み、読書遍歴史上最多の手汗をかいた。そして、「クロハシリーズ」をはじめとした著者の作品に現在進行形でドハマりしている。

脚本は『相棒』で「藍よりも青し」(S10#13)、「デイドリーム」(S12#11)の脚本を担当した高橋悠也さん。監督の麻生学さんはシーズン1で「教授夫人とその愛人」(#2)と「下着泥棒と生きていた死体」(#4)の演出を担当した方だ。これは観るしかないだろう。

案の定、原作との相違点があったが、比較分析の大変さは『怪物の木こり』で身に染みたので、書くのは控える。

興味のある方は是非。TVerでの配信はまもなく終わってしまうが。

本編52分35秒を引用。

余談だが、『相棒』で捜査一課の刑事役として度々登場している俳優さん(『相棒22』元日スペシャルの予告映像にも映っている方)が、射撃場の係官役で出演していた。この方の出演シーンをすべて集めるのが、私の夢である。

 

aibouninngenn.hatenablog.com

クリスマス前に最高のプレゼントを貰った。

 

aibouninngenn.hatenablog.com

変なタイトルだが、『相棒』の考察をした記事だ。

「鬼丸播磨」という渡世名、カッコいい。本名の「井上和美」も似合っている。

「鹿手袋啓介」は一生忘れない名前だ。

tver.jp

「再会」(脚本:徳永富彦、S21#19)の考察記事は録画したものを繰り返し観ながら書いたのだが、今回はTVerの見逃し配信を利用した。テレビを占拠せずにセリフの確認ができて便利だった。繰り返し観ると、緻密な物語であることがよりわかる。

TVerの回し者みたいだが、過去の元日スペシャルやシーズン14の一部のエピソードも無料配信されているので、興味のある方は是非。

 

 

今週の読了本

石持浅海さんの『攪乱者』-テロリストシリーズ第一弾。

(2013年、実業之日本社文庫)

美女一人、男二人のテロはレモン三個で政権を転覆?

コードネーム、久米・宮古・輪島のテロリスト三人。組織の目的は、一般人を装ったメンバーが、流血によらず、政府への不信感を国民に抱かせることだ。彼らの任務は、レモン三個をスーパーに置いてくるなど、一見奇妙なものだった。優秀な遂行ぶりにもかかわらず、引き起こされた思わぬ結果とは。テロ組織の正体は。そして彼らの運命を握る第四のメンバーの正体はーー。

解説/宇田川拓也

-裏表紙より引用。

レモン三個をスーパーに放置せよーー「檸檬」、公園の砂場にアライグマが入ったケージを放置せよーー「一握の砂」、電車の網棚に丸めた新聞紙が入った紙袋を放置せよーー「道程」、子供たちを相手に公園で勉強会を開く青年を支援せよーー「小僧の神様」、コンビニでアルバイトをせよーー「駈込み訴え」、農業大学の学生と交際せよーー「蜘蛛の糸」、中央官庁の官僚の前で不倫カップルを演ぜよーー「みだれ髪」、衛生隊所属の自衛隊員と親交を深めよーー「破戒」・「舞姫」の九編からなる連作短編集。

 

暴力に訴えないテロ組織の“細胞”(小隊のようなもの)に所属する兼業テロリストの久米・宮古・輪島の三人は、細胞のリーダー・入間から奇妙な指令を受ける。“行動だけが美学”と言い聞かせて任務を完了する三人に対して、細胞のメンバーである串本が指令の意図を推理して聞かせる、というのが基本的な流れ。「座間味くんシリーズ」の短編集や「殺し屋探偵シリーズ」と通じる、“日常のなかでふっと刃を突き出されるような恐怖感”が論理の面白さとともに堪能できた。

檸檬」・「小僧の神様」・「みだれ髪」の三編は久米、「一握の砂」・「駈込み訴え」・「破戒」の三編は宮古、「道程」・「蜘蛛の糸」・「舞姫」の三編は輪島という具合に視点人物が異なっており、それぞれのテロに対する考えやその変化の過程をより深く味わえた。

 

「解説」にあるように、石持作品には“テロ”をテーマにしたものが多い。

本作に登場した風船を用いた兵器は、ノンシリーズの『二千回の殺人』(2018年、幻冬舎文庫)でも応用されていた。

 

合理的な非暴力テロリズムは成就するのか。今、第二作を読んでいる。

 

 

<了>