今週の『相棒』も面白かった。
ここ数シーズンは、誰が脚本を書いたか知らない状態で観ることに挑戦しているのだが(結局誰が書いたか気になって公式サイトを見てしまったり、Wikipediaで視聴率を確認しようとして誤って見てしまったりと、大抵は上手くいかないのだが)、今回も私の予想は外れた。
冒頭の酢豚のパイナップルのくだりと、来週がマーロウ矢木の登場回であることから大穴狙いで戸田山さんだと予想していたのだが、実際は岩下さんだった。
岩下さんの回は小ネタが多くて楽しい。小ネタが多いとなんか得した気分になる。
小ネタにはブログで応えようと、書き途中だった科捜研の映画についての記事と組み合わせて『相棒』メモみたいなものを書いた。
日付が変わる頃にアップしたのだが、その時点で既に感想記事をあげている人をちらほら目にした。初動の早さに驚かされた。
最速レビューを目指すなら、メモを取りながらリアタイし、放送後は録画したものを繰り返し見つつ文章をまとめる必要があるだろう。来年は木曜を全休にしようかな。
私ときたら、あれだけ確認したのに「冷血」(脚本:岩下悠子、S22#5)について書き残したことがあった。
・半グレグループ「スコルピオ」は「薔薇と髭と菫たち」(脚本:岩下悠子、S21#15)にも登場している。
・「都民ジャーナル」の名前が出るのは「監禁」(脚本:古沢良太、S4#8)、「右京さんの友達」(脚本:真野勝成、S12#13)に次いで三度目?
・右京さんが花井に「裏社会から足を洗うべきでした」と説いたところが良かった。“防ごうと思えば防げた最悪の事態”が描かれている点では瀧本智行脚本作品の「操り人形」(S20#8)や「黒いコートの女」(S21#10)と共通しているが、それを右京さんが指摘するかどうかが異なっていた。脚本家による違いが面白い。
やっぱり、とりとめがなくなってしまった。
そもそもが夜に弱い人間なので、最速レビュアーへの道は諦めよう。
ノベライズのプレゼントキャンペーンに応募しなければ。
私にとって「番組のご感想」欄は大学のレポートと同じだ。
「2000字まで」なら余裕だ。『相棒』のことなら。
先週の土曜日、近所のブックオフに行った。
オンラインサイトで注文した品を受け取るためだ。
それがこちら。かなりデカい。
ポールと比較するとその差は歴然だ。梱包もかなり厳重。
早速開けていこう。
私が買ったのは『刑事コロンボ』のコンプリートブルーレイボックスだ。
外箱に印刷されている「416」という数字は、シリアルナンバーではなくコロンボのポリスバッジの番号らしい。
では、開いてみましょう。
記念すべき第一作目「殺人処方箋」の旧録版日本語吹替台本が入っていた。
付属品欄に記載が無かったので不安だったが、賭けに勝った。
これで、いつも月刊『ドラマ』を使ってやっているアテレコごっこができる。嬉しい。
写すことはできないが、中身のセリフも手書きの文字だった。そんな時代もあったのか。
完全版ブックレットもついていた。69話もあるので、かなりのボリュームだ。
次は、いよいよディスク。
6ケース、計35枚組。圧倒的な物量に思わず頬が緩む。
底はこんな感じ。
紐は取り出しやすくするためのもの。電池システム。
外箱の角が若干傷んでいたが、無問題。盤面がかなり綺麗だった。美品。
返品が可能な十日間のうちに全話を観るのは不可能だとわかっていたので、ひと安心。
私はこれを16,725円で購入した。定価は74,800円。約78%オフ。
夏の時点では20,000円を超えていたが、最近見たら19,250円に値下げされていた。
そこからさらに10%オフクーポンと600円分のポイント(うち500ポイントはキャンペーンで当選したもの)を使って、16,725円まで抑えた。
この買い物で152ポイントが付与されたので、実質16,573円だ。
35枚組だから、一枚あたり・・・・・・
全69話だから、一話あたり・・・・・・
すぐにこういう計算をしてしまう。いいことなのか、どうなのか。
とにかく、良い買い物をした。店舗受け取りできたのも幸運だった。
夏にCSでコロンボを一周したが、録画容量的に観たら消さざるを得なかった。
一部の話は『相棒』との共通性が高かったので、録画し直していた。
だが、全話を手元に置いておけるのならそれに越したことはないので、今回の購入に至った(今となっては『犬神家の一族』を消してしまったことが惜しい)。
『刑事コロンボ』が『相棒』に与えた影響は大きい。
右京の中にはコロンボからインスパイアされたものがけっこう入っているんですよ。ネチネチと犯人を追い詰めていくところとか。回りくどい言い方もね。
-『『相棒』10周年メモリアルBOOK 杉下右京10years』 33頁より引用。
『刑事コロンボ』など海外の推理モノを見るのは好きだったんで、参考にしつつ・・・
あの時やりたかったのは、コロンボみたいな名探偵風の登場パターンと、右京の変人ぶりを描くこと。
1本だけと思ってたので、コロンボで学んだことは『殺人講義』で全部出し切っちゃったんですよね。
-『オフィシャルガイドブック 相棒』 135頁より引用。
といった輿水さんや古沢さんの発言があるほかにも、『刑事コロンボ』を観て『相棒』を感じることが多々ある。
動作確認がてら、改めて第1話から第12話を観た。
「殺人処方箋」(#1)は、夫による妻殺しの話。コロンボは、帰宅してきた夫が「ただいま」を言わなかったことをきっかけに彼を疑う。このフックは「新・Wの悲喜劇」(脚本:輿水泰弘、S6#17)で応用されている。
『相棒』における古沢さんの第一作「殺人講義」(S4#2)での犯人の落とし方は「死の方程式」(#8)、面通しが失敗する場面は「黒のエチュード」(#10)からのインスパイアだと思われる。右京さんが講義をする場面は、コロンボの同名エピソード(#56)からの影響を受けているのかもしれない。
「パイルD-3の壁」(#9)は、「ボディ」(脚本:輿水泰弘、S17#1・2)との共通点にばかり目がいってしまうが、カーステレオの音楽のジャンルが被害者の趣味とは異なることから車を運転したのは別人だと見抜く部分など、フックが魅力的だ。
「構想の死角」(#3)は、コンビで活動するミステリ作家のひとりが、コンビ解消を申し入れてきた相方を殺害する話。犯人は、マフィアによる犯行に見せかけるために、被害者の指紋をつけた反社会的組織のリストを被害者のオフィスに紛れ込ませるのだが、コロンボは、リストに三つ折りの跡があることから、被害者がプリントしたものではなく何者かが持ち込んだものだと推理する。このフックは、ついこの間「冷血」(脚本:岩下悠子、S22#5)で応用されていた。
改めて観ると、初見の時よりも面白く、体感時間が短く感じた。
「死者の身代金」(#2)は、1971年の作品ながら(といっては失礼かもしれないが)、拳銃の口径の小ささによるメリットや射入角が扱われていたり、冒頭では、犯人が指紋について理解していることがわかる演出がなされていたりと、刑事モノならではの細かい面白さが特に堪能できた。「特命係復活」(脚本:輿水泰弘、S2#2)との共通点もあった。
細かい着眼点の面白さが国をこえている事実は、改めて考えるとスゴイ。
買って良かったと、芯から思った。
『相棒』のときは、再放送を観るようになってから半年もしないうちに、未見だったプレシーズンのDVDを買ったのだが、普通は観たうえで買うものなのかもしれない。今だったらこんなに思い切った買い物はできないだろう。『相棒』がプレシーズンから面白い作品で本当に良かった。
結局『相棒』話が多めになってしまったが、これからは『刑事コロンボ』も愛す。
吹替のバージョン違いが網羅されており、音楽&SEトラックや、かの有名なメインテーマなども特典映像として収録されているので、興味のある方は是非。
私の生活の主導権は、CSとブックオフオンラインに握られている。
<了>