無為漠然

8つのテストと2つのレポート課題、それから謎の報告書を一通仕上げて、ようやくブログを再開できた。

テストやレポート課題に追われる点では同じなのに、なぜだか前期末よりも後期末のほうがしんどく感じる。途中で冬休みが挟まるぶん、後期のほうが楽なはずなのに。寒いからなのか。

まあ、考えてもしょうがないことだ。

 

考えてもしょうがないことといえば、夕方の『相棒』の再放送が毎年「ボーダーライン」から始まっている気がするのだけれど、あれはなんでなんだろう。

 

成人式に出席したが、同窓会には出席しなかった。

同窓会の写真だけは見たいと思い、しれっとグループラインに居残り続けていたのだが、ようやく成就した。

もはや写真では誰が誰だかわからなくなっていたが、じっと見続けていると、思い出してくる。楽しいような、虚しいような。

こちらは姿を見せたくないけど、そちらの姿は是非とも見たい。

そんな願いを叶える、同窓会ライブ配信サービス。会費の半値でどうでしょう。

 

成人式の帰りに撮った鳩の動画にコメントが付いた。

www.youtube.com

コメントを無効にするのを忘れていた。その一瞬の隙を突かれてしまった。

鳩の動画は海外での需要が高いようで、今回のコメントも海外の方からだった。

「私は一日中ハトを観察していました」という内容だった。

良いコメントなのか、悪いコメントなのかわからない。

試しにその人のチャンネルを覗いてみたら、登録者が60万人を超えていた。え、こわ。

その日の夜、私のチャンネルの登録者が680人になっているという夢を見た。インフルエンサーに見つかったという設定なのだろう。にしても680という数字、生々しい。

起きてから一応確かめたが、46人のままだった。

46人だって、結構すごいと思っている。

 

ちなみに現在の登録者は48人。

姉の友人がふたり、登録してくれたらしい。鳩の話の流れでそうなったとか。

ブログを見られる可能性も、うんと高くなった。まあ、上等だよ。

 

昨年、私は寸借詐欺に遭った。大学近くのブックオフの前で、500円取られた。

あの男の顔は死んでも忘れない自信があるのだが、その思いが強すぎたのか、最近夢に出てきた。変な理屈をこねて私の家に上がり込んでくる、という夢だった。最悪夢。

それから数日も経たずして、件のブックオフの前で自転車に乗った男に話しかけられた。あの男ではない。

声が小さく、「話しかけられたのだ」と私の脳が認識したときには、すでにかなりの距離になっていた。

だから、スルーしてしまった。悪く思わないでくれ。

 

教職課程を学んでいる友人が、五円玉が結ばれている紐を渡してきて、「手を動かさずに、五円玉に『回れ』と念じてみろ」と言った。授業でやった実験らしい。

すると、みるみるうちに五円玉が円を描き始めた。

ガリレオ』の川口春奈の回でやってたやつだ。そう、ダウジング

友人によれば、五円玉が念じた通りに動く人間は騙されやすいそうだ。知るか。

 

もともとが、人に話しかけられやすい質なのだ。お年寄りや海外の方に道順や乗り換えを聞かれることは日常茶飯事だし、この間は大学構内で留学生らしき人物に謎のアンケートをやらされた。

所属ゼミや回答の用途などはきちんと説明されたが、学科が違うので、そんなゼミが実在するかどうかはわからない。大学のセキュリティの甘さを考えれば、きっとそんな手口で個人情報を抜く輩もすでに存在しているのだろう。考えたくはないけれど。

 

乃木坂のライブに行った。もちろん、父と一緒に。

二階の後方の席だったので、メインステージやモニター、フロートを含めたすべてを見渡すことができた。

 

身長ほどもある大旗を振り回したり、トリプルドラムを打ち鳴らしたり、バーを舞台にアコースティックアレンジされた楽曲を披露したりと、大躍動のメンバーたち。

俯瞰していると、ふと、彼女たちの実在を疑いたくなる。まるで、ホログラムのような、巨大な「何か」に加担してしまっているかのような、そんな気がする。

あっという間の二時間半だった。

 

後ろの席にいた二人組の若者たち。とにかく声がデカかった。

開演前に突然メンバーの名前を叫んだりする。突然叫ぶな。ビクッとするだろ。

大声でコールをするのは結構なことだが、急にコールを止めたり、変なタイミングで歌ったり、MC中に私語をしたりするのには閉口した。

しゃべりまくりジュニアたち、俺は君たちの歌やトークを聞きに来たんじゃないんだぜ。

 

隣の席の男性は、グッズを一切持たず、静かにずっとオペラグラスを覗いていた。

張り込みのようだと思いつつも、MC中は私も姉から借りたオペラグラスを覗きながらニヤニヤしていた。張り込みをするなら、一人より二人だ。

 

うるさい若者と、静か過ぎる男性。差が激しすぎて、ペースを大いに乱された。

サイリウムの色を変えるのに手間取ったり、前にいる人を殴ってしまいそうになったり。いつものことだと言われたら、その通りだけど。

 

父おすすめの味噌ラーメンを食べて、帰路に就く。

夜空には、月とオリオン座が燦然と輝いていた。

 

 

今週の読了本

石持浅海さんの『煽動者』-テロリストシリーズ第二弾。

(2015年、実業之日本社文庫)

日曜夕刻までに指摘せよ。“名前”のない犯人をーー。

テロ組織内部で殺人事件が起きた。この組織のメンバーは、平日は一般人を装い、週末だけ作戦を実行。互いの本名も素性も秘密だ。外部からの侵入が不可能な、軽井沢の施設に招集された八人のメンバー。発生した殺人の犯人は誰か? テロ組織ゆえ警察は呼べない。週明けには一般人に戻らなければならない刻限下、犯人探求の頭脳戦が始まったーー。

解説/笹川吉晴

ー裏表紙より引用。

シリーズ第一作『攪乱者』は連作短編集だったが、今作はガッツリ長編。謎多きメンバー・串本が前作に引き続き登場し、流血によらないボランティアテロ組織の謎も明かされる。

 

舞台は軽井沢、組織が所有する施設に集められた兵器製造専門の細胞のメンバー8人は、細胞のリーダー・三沢から「子供」をテーマに政府を揺さぶる兵器を企画立案、製造することを命じられる。本来なら別の細胞が担当するはずの「兵器の企画立案」を任され困惑する一同だが、翌日午後一時のプレゼンに向けて兵器の方向性について話し合っていく。

ところが、その日の夜、メンバーの一人が自室で遺体となって発見される。殺害は夕食前の休憩時間中に行われ、殺害方法から突発的犯行と思われた。外部犯の可能性は限りなくゼロに近く、警察も呼べない状況に疑心暗鬼となるメンバーたちに、三沢は任務の続行を命じ、組織の人間によって遺体も運び去られてしまう。

殺人という異常事態と、常軌を逸した組織の対応。

メンバーたちはプレゼンを成功させ、殺人犯を突き止めることができるのかーー。

 

石持作品の醍醐味である密室劇を堪能できた。

宿泊施設での殺人は代表作『扉は閉ざされたまま』を、組織の論理と一般常識との乖離の面白さは『カード・ウォッチャー』を彷彿とさせた。

 

組織の正体の面白さ、肯定さえしてしまいそうな結末が、そこにはあった。

 

 

<了>