プレゼント

休みが始まって早数日。

罪悪感は今のところ無い。

休むことに罪悪感を覚えていたら大学生は務まらない。

 

積ん読解消、順調、順調。

電車じゃ読めない、単行本も着々と。

久しぶりに単行本を読むと持ちにくさを感じてしまう。

読むときの体勢が定まらない。

たぶん、あるある。

 

父親から新しいライトをもらった。

これで寝る前読書の環境も改善した。

 

あれ、新しいライトが欲しいなんて言ったかな・・・。

 

aibouninngenn.hatenablog.com

 

父親にブログを読まれていたとしたら・・・これはマズイ。

 

 

 

葉村晶シリーズを読破したので小出しにしていく。

まずは中公文庫の『プレゼント』(1998年)。

ルーム・クリーナー、電話相談、興信所。トラブルメイカーのフリーター・葉村晶と娘に借りたピンクの子供用自転車で現場に駆けつける小林警部補。二人が巻き込まれたハードボイルドで悲しい八つの事件とは。間抜けだが悪気のない隣人たちがひき起こす騒動はいつも危険すぎる!

-裏表紙より

「職業不定」の葉村晶と変人・小林警部補が探偵役として交互に登場する短編集。

葉村メイン回は、知り合いの編集者に血痕の隠滅を依頼される「海の底」、バイト中に飛び降り自殺に遭遇する「ロバの穴」、殺人の容疑がかけられる「あんたのせいよ」、とある殺人事件の冤罪疑惑を調査する「再生」の四編。

小林メイン回は、冬の別荘地で起きた殺人事件を捜査する「冬物語」、疑惑の心中事件を捜査する「殺人工作」、一年前に起きた未解決事件の関係者が一堂に会する「プレゼント」の三編。

ラストの「トラブル・メイカー」では葉村晶と小林警部補がコラボしている。

一人称視点で進行する葉村回も、倒叙式を中心にトリッキーな小林回もどちらも面白かった。

『暗い越流』は読んだことがあったので葉村晶が「不運」だということは何となく知っていたけれど、それが二十年以上も前から続いていたとは驚き。もっと最近に始まったシリーズだと思っていた。それが理由かは分からないが、一話一話から古き良きシンプルさを感じた。江戸川乱歩の「心理試験」や「屋根裏の散歩者」を初めて読んだ時みたいな、本っ当に純粋に「すげー」って思う感覚(基本的に何にでも「すげー」と言ってしまうのであてにしないで)。作中に登場する「ビデオカメラ」とかが時代を感じさせるのもあるけれど、このシンプルな雰囲気はどうやったら出せるのだろう。

 

純粋に楽しく、ミステリの奥深さを示唆してくれる一冊だった。

 

 

 

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<了>