舞台『相棒』~ピアニストは二度死ぬ

舞台『相棒』は2009年末から翌年1月にかけて公演された、宝塚歌劇団によるテレビドラマ『相棒』の舞台化作品。テレビシリーズの脚本を務める輿水泰弘が原案を担当し、宝塚歌劇団所属の演出家である石田昌也が脚本・演出を務めた。主演は、後に『相棒』テレビシリーズのレギュラーメンバーとなる真飛聖(本公演時は花組)。

 

出演者などの詳細は以下のHPに。

archive.kageki.hankyu.co.jp

 

 

2010年3月に発売されたDVDには2009年12月29日にシアター・ドラマシティで行われた公演が収録されている。

あらすじ

道玄坂にある病院に証拠品の返却に来た警視庁特命係の杉下右京と神戸尊は、人質立てこもり事件に遭遇する。強行突入を嫌う右京の機転によって犯人は降伏するが、この立てこもり事件は警視庁主導の訓練だった。激怒した内村刑事部長は、警察庁官房室長の小野田に抗議をするが、何処吹く風の小野田は特命係に護衛を依頼する。

護衛の対象は、警視庁も協賛する日米合作映画『トウキョウ・コネクション』の音楽監督を務めた世界的ピアニスト、パリス・エヴァンスだった。心臓移植を受けた過去を持つ彼女は、来日中にチャリティーコンサートを行う予定だったが、会場のホールに爆破予告がされたのだ。

さらに、パリスが銅剣を持った暴漢に襲われかける事件が発生する。爆破予告と暴漢は関連しているのか?右京は銅剣という凶器から、過去にロンドンで遭遇した人質事件を回想する。

そんな中、パリスの夫でマネージャーのノーマン・エヴァンスが、滞在していたホテルの一室で重体で発見される。ノーマンは、同じく来日中の調律師・キャロルと男女の関係にあった。隣室でクリスマスパーティーをしていた角田課長らの証言と、現場の状況から疑念を抱いた右京と尊はパリスを追及するが・・・。

 

「新・Wの悲喜劇」(シーズン6#17、脚本・輿水泰弘)をベースにしたと思われるオリジナルストーリーであるが、「殺しのピアノ」(シーズン3#15、脚本・櫻井武晴)の要素があったり、シーズン5に登場した“ホテルアマゾンお台場”が登場したりと、テレビシリーズとの共通点探しが楽しい。その他にも臓器移植やカルト教団、MI5などの要素もあり、舞台ならではの大がかりで楽しいストーリーだった。

 

中園参事官や大河内監察官、組対五課の大木・小松コンビは登場せず、内村刑事部長が三枚目な役どころになっていた。また、稲田麦子をはじめとする交通課の警察官がオリジナルキャラクターとして登場する。

 

劇中で尊と捜一トリオが初対面を果たすことから、テレビシリーズとは異なる世界であることが分かるが、尊が警察庁からのスパイである設定はそのままになっている。また、尊の初登場から一年も経っていない時期での公演であるためか、一人称が主に「私」であるなど、ドラマシリーズの尊とは微妙にキャラクターが異なっている。

 

-「特命」(シーズン7#19、脚本・輿水泰弘)より

ドラマシリーズでの一人称は主に「僕」や「俺」であり、「私」と言うのは主に上層部の人間に対してだけ(だったと思う)。

 

『相棒』の相棒(役)の一人称については、いずれ本格的な調査をしたい。

 

感想

人生初宝塚。

演者のスタイルの良さとダンスのキレに思わず笑ってしまった。

でも、不思議と右京さんに見えてくる。

米沢さんをはじめとするレギュラー陣も特徴が表れていて、違和感がなかった。

歌は「貴き命のバラード」が特に良かった。

 

稽古風景が特典映像として収録されているので、興味のある方は是非。

 

 

<了>