ブログを始めてからパソコンに向かっている時間が激増した。
しかし、常にブログを書いている訳ではない。
では何をしているのかというと、実は何もしていない。
正真正銘、電源の入ったパソコンに「向かっている」だけ。
ツイッターやインスタをやっていないのでパソコンを触っていても暇になる瞬間が多々あるのだ(この現象はスマホをいじっている時にも起こる)。
「ブログを更新せねば」というごく軽い義務感も相まって、私はオンライン暇人になってしまうのだ。
そういうときは『相棒』のWikipediaを読むに限る。項目数が多く、更新頻度も高いので読み応えがある。
夏頃に行われたシナリオ作家協会の生配信によれば、『相棒』のメインライターである輿水泰弘さんも劇中の設定の確認のためにWikipediaを活用しているらしい。
Wikipediaの執筆者にとってこれほど嬉しいことはないだろう。
私がこの配信の存在を知ったのはだいぶ後のことだった。
ツイッターをやっていないことが仇となり、告知をすっかり見逃してしまった。
ツイッターやインスタに登録すれば『相棒』の情報がいち早く知れることは百も承知だが、私にも(謎の)意地というものがある。
そんなこんなで今に至る。
相変わらずWikipediaを眺める日々である。
リンクからリンクへと飛び、まだ見ぬ『相棒』の情報を探している。
最近見つけた、入江信吾さんの公式サイト。
入江さんは「波紋」(S4#7)で脚本家としてデビューした『相棒』ゆかりの人物である。
シーズン21開始時点での担当エピソードは「波紋」と「この胸の高鳴りを」(S6#6)の二本のみだが、両話ともに人気が高いエピソードだ。
特に「波紋」は人気が高く、デビュー直後の中村倫也(当時は中村友也)が出演していることもあって『相棒』全体を通してのベストエピソードとして挙げる人もいるほどだ。
私が面白さのあまり立て続けに二回も見た、数少ないエピソードのひとつでもある。
そんな入江さんの公式サイト。
特筆すべきは「全作品セルフコメンタリ―」だろう。
ドラマや映画、アニメ、ラジオCDに至るまで、彼が手掛けた全ての作品のセルフコメンタリ―(制作や参加の経緯、作品の意図、キャスティング、視聴率の話や視聴者の反応に対する反応、撮影見学や打ち上げなどの話)を無料で読むことができる。
ここでは詳しく述べないが、彼が自信を持って作品を送り出し、その後も愛情を持ち続けていることがひしひしと伝わってきた。
そのような作り手の思いをダイレクトに知れるのはこちらとしても非常にありがたい。
『ドラマ』誌を読み返していたら、注目の記述を見つけた。
ドラマでは十数年離れていたあの刑事ものに再挑戦しようかな、などと…。
(入江信吾「ライター掲示板」、『月刊ドラマ』6月号、2022年5月、114頁)
十数年続いている刑事ドラマとなると限られてくる。
かつて参加した作品となると『相棒』である可能性が非常に高い。
脚本家へのオファーが放送の何か月前に行われるのかは分からないが、松本基弘さんがプロデューサーだった頃のように、常に次回作作りに追われているのだとしたら、早い段階でオファーがあってもおかしくはないだろう。
もしくは、『ドラマ』誌に寄稿した時点では岩下悠子さんなどの旧知のスタッフから話を持ち掛けられただけだったのかもしれない(岩下さんはシーズン20で14年ぶりに『相棒』に復帰した脚本家であり、入江さんとは東映芸術職の同期だった)。
入江さんが、『相棒』のスタッフが集結した連続ドラマ『東京スカーレット』(2014年、TBS)に参加した経緯を知った今、『相棒』への復帰も十分にあり得るのではないかと思うのだ(くわしくはこちら)。
このように、『相棒』ワールドの内外について妄想することも楽しみ方のひとつである。
そのために私はWikipediaやブログ、雑誌を読み漁る。これまでも、これからも。
入江さんの復帰に期待しつつ、シーズン21を楽しみたいと思う。
<了>